年金は増えたのに、なぜ暮らしは苦しい?年金生活を楽にする“固定費見直し”の順番【2026年】

ゆたかお金
この記事は約11分で読めます。
スポンサーリンク
SBI証券[旧イー・トレード証券]

こんにちは、いろどりゆたかです。

「年金生活は厳しいなあ」「携帯代が高いよ」——退職した父が、ときどきこぼす言葉です。ニュースでは「年金額が引き上げられました」と流れているのに、なぜ暮らしはむしろ苦しくなっているのでしょうか。わが家の父も母も、長く働いて年金を受け取る立場になりましたが、二人の口から出てくるのは「思っていたより余裕がない」という本音でした。

この記事では、「年金は増えたはずなのに、暮らしが楽にならない」その正体を、公的な統計の数字ではっきりさせます。そのうえで、我慢や節約でつらくなるのではなく、生活の質を落とさずに家計を軽くする「順番」を、わが家の実体験を交えてご案内します。児童福祉の現場に20年いて、たくさんのご家庭のお金の悩みに向き合ってきた立場からも、ここは順番がすべてだと感じています。読み終わるころには、「まず、ここから手をつければいい」がはっきりするはずです。

「年金は増えた」のに苦しい。その正体は“3つの数字”にある

まず、気持ちの問題ではなく、数字で現実を見てみましょう。ここを直視すると、「自分の努力が足りないわけじゃない」と少しホッとできるはずです。

数字①:年金の増額を、物価の上昇が追い越している

令和8年度(2026年度)の年金額は、国民年金が満額で月70,608円、厚生年金の「モデル夫婦」で月237,279円。前年度から国民年金は1.9%、厚生年金は2.0%の引き上げになりました(日本年金機構)。数字だけ見れば「増えた」わけです。

ところが、物価はそれ以上に上がっています。総務省の消費者物価指数によると、2025年の物価は前年比+3.2%。とくに食料は+6.8%、米などの穀類にいたっては+21.9%もの上昇でした。つまり、年金が約2%増えても、物価が3%以上上がれば、実際に買えるものはむしろ減っている。これが「増えたのに苦しい」のいちばんの正体です。

さらに見落とされがちなのが、年金からの“天引き”です。年金は額面がまるまる手元に入るわけではなく、税金や社会保険料が差し引かれます。「増額」のニュースの裏で、手取りはそれほど増えていない——これが現実です。

数字②:「モデル年金23万円」は、実は“勝ち組”だった

ニュースでよく出る「モデル夫婦で月23万円」という数字。これを見て「うちはそんなにもらえていない」と感じた方も多いのではないでしょうか。それもそのはずで、この金額は、現役時代にしっかり厚生年金を納め続けた人の“標準例”。誰もが届く数字ではありません。

実際の平均受給額(令和5年度)を見ると、厚生年金は月147,360円、国民年金にいたっては月57,700円(厚生労働省)。自営業や短時間勤務が長かった方は、国民年金が中心で、この5万円台が現実です。「モデル年金」はゴールではなく、むしろ上位の姿。多くの家庭は、それより少ない年金で暮らしをやりくりしているのです。

数字③:高齢夫婦は、毎月“赤字”で貯蓄を取り崩している

では、その年金で家計は回っているのでしょうか。総務省の家計調査(2024年)によると、65歳以上の無職夫婦世帯は、毎月およそ4万〜4万5千円の赤字。たとえば65〜69歳では、月に44,945円の赤字でした。足りない分は、これまでの貯蓄を取り崩して埋めています。

「貯蓄があるから大丈夫」と思うかもしれません。同じ調査では平均貯蓄は約2,560万円。ただし、物価高で赤字が広がれば、取り崩すスピードは一気に速くなります。「2,000万円問題」と言われた時代よりも、いまは物価という逆風が強い。ここが、今の年金世代が置かれている本当の状況です。

見落とされがちな「預金だけ」の落とし穴

もうひとつ、静かに家計を蝕んでいるものがあります。それが「預金の目減り」です。

「使わずに銀行に置いておけば、減らないから安心」——これは、物価が上がらない時代の常識でした。でも今は違います。物価が年3%上がるということは、金利がほぼゼロの預金は、置いているだけで“買える量”が年3%分減っているのと同じこと。通帳の数字は変わらなくても、その1万円で買えるものは、年々少なくなっているのです。

「減らない」はずの預金が、実は“こっそり目減りしている”。この事実を知っておくだけでも、「では、どう備えるか」を考える出発点になります。年金生活を楽にするには、「支出を賢く減らす」ことと、「お金の置き方を見直す」ことの、両輪が必要なのです。

じゃあ、どうすればいい?——「増やす」より「賢く軽くする」

ここまで読むと、少し不安になったかもしれません。でも、大丈夫です。悲観する必要はありません。年金生活のお金は、「我慢」ではなく「順番」で、驚くほど軽くできます。

現役時代なら、収入を増やす選択肢がありました。でも年金生活では、収入はほぼ決まっています。だからこそ、力を入れるべきは「支出」、それも一度直せばずっと効き続ける「固定費」です。

食費を毎日1円単位で切り詰めたり、エアコンを我慢したりする節約は、つらいわりに続きません。しかも、体調を崩せば、かえって高くつきます。一方、固定費は一度見直せば、あとは何もしなくても、毎月ずっと効果が続く。これが、年金生活でいちばん割のいい、そして我慢のいらない節約です。

わが家が実感した「見直す順番」

とはいえ、全部を一気にやろうとすると、たいてい途中で止まります。「効果が大きくて、我慢がいらなくて、すぐできる」ものから手をつけるのが正解です。わが家がおすすめする順番はこちらです。

  • 1番目:通信費(スマホ)……我慢ゼロ・効果大・即効。使い方を変えずに、月数千円下がる。まず最初に手をつけるべき固定費。
  • 2番目:保険の重複・過剰……子どもが独立し、住宅ローンも終わったなら、現役時代の大きな保障は過剰かも。
  • 3番目:サブスク・年会費……使っていない動画配信やカードの年会費を止めるだけ。ノーリスク。
  • 4番目:電気・ガス……料金プランや契約内容の最適化。効果は家庭による。

この順番なら、いちばん効果の大きい「通信費」で成功体験を得てから次に進めるので、途中で挫折しにくいのが利点です。

筆頭の「スマホ代」に、わが家のムダが眠っていた

母は、長年ドコモを使ってきました。実際の使い方は、父に月1回電話する程度で、あとはLINEで届く孫の写真を待ち受けにして眺めるくらい。データはほとんど使っていません。それなのに、料金は月5,000円ほど払い続けていました。

父は、母とは正反対でした。仕事柄、お得意先との電話が多く、休みの日でも仕事の電話がひっきりなしに鳴っていたのを覚えています。世代的にメールより電話が中心で、契約はいわゆる「かけ放題」。月8,000円ほどでも「これでも安いくらいだ」と言っていたほどです。ところが退職したあとは、あれほど鳴っていた電話が、パタッと止まりました。使う量はすっかり変わったのに、料金だけは現役時代のまま。これが、二人に共通していた“払いすぎ”の正体でした。

実際、わが家はいくら軽くなるのか(試算)

では、見直すとどれくらい違うのか。わが家のケースで試算してみます。母は、ほとんど使わないのに月5,000円ほど。使い方を変えずに、いちばん小さいプランへ乗り換えれば、月1,600円台〜が目安になります。差額は月3,000円強、年間で約4万円です。

電話が多い父は、かけ放題つきで月8,000円ほど。退職して通話がぐっと減ったので、通話定額の軽いプラン(10分かけ放題つきなど)に切り替えれば、大手のままより確実に下がります。仮に月3,000〜4,000円台に収まれば、年間で約5万円の節約。二人合わせれば、年間でおよそ9〜10万円が浮く計算です。

9万円あれば、夫婦で一泊二日の温泉旅行に行けます。孫へのお祝いにも、少しいい外食にも回せる。「削る」ためではなく、「大事なことに使う」ために見直す。——これが、我慢の節約とはまったく違うところです。(※金額は使い方により変わります。実際のプラン・料金は各社公式でご確認ください。)

なぜ、多くの親世代は「高い」と分かっていても動けないのか

「高いなら変えればいいのに」——私はいつもそう思っていました。でも、本人の立場で見ると、動けない理由がちゃんとありました。大きく3つです。

① 乗り換え=大ごと、だと感じている。「今のスマホが使えなくなる」「電話帳や孫の写真が消える」と思い込んでいる。実際は、多くの場合今のスマホをそのまま使い、中の小さなカード(SIM)を入れ替えるだけで、番号も写真も引き継げるのですが、それが知られていません。

② いくら払っているか把握していない。父にプラン名を聞いても答えられませんでした。もう新規受付が終わった昔のプランや、使っていない有料オプション(留守電・端末補償など)が、静かに積み重なっていることも珍しくありません。

③ 気づかないうちに、じわじわ値上がりしている。昔は料金明細が紙で、封筒に入って毎月届いていたので、金額が否応なく目に入りました。でも今は明細はWEBが基本。ネットにログインして自分で確認する必要があり、これが親世代にはいちばんのハードル。金額が視界から消えた瞬間から、割引の期間終了などでこっそり上がっていても、誰も気づかなくなるのです。

「昔のまま」は、安心なようでいて、いちばん見直しが遅れる原因です。

IIJmio

スマホの見直しは、機械が苦手な親でも「挫折しない選び方」がある

とはいえ、シニアのスマホは安さだけで選ぶと失敗します。「昼につながりにくい」「設定は全部自分」「クレジットカードが必須」——こうした壁で、機械が苦手な親は途中で心が折れ、結局もとの高い契約に戻ってしまう。それがいちばん高くつきます。

だから選ぶ基準は、「安さ」ではなく「店舗で相談できるか」「口座振替が使えるか」「昼もちゃんとつながるか」この条件を満たす会社を選べば、乗り換え後も安心です。「持ちたくない」と言っていた母を、どう納得させて実際に乗り換えたのか——その具体的な進め方は、こちらの記事に体験を詳しくまとめています。

“持ちたくない”母のスマホを乗り換えた話|シニアの格安SIM【2026年】

やってはいけない「間違った見直し」

やってはいけない「間違った見直し」

最後に、いちばん大切なことをお伝えします。年金生活の見直しで、削ってはいけないお金があります。それは「健康」「安全」「人とのつながり」に関わるお金です。ここを削ってしまうと、“豊かにするための見直し”が、逆に暮らしを貧しくしてしまいます。

① 本当に必要な「医療保険」まで解約してしまう

固定費を削ろうとするとき、保険は真っ先に候補に挙がります。もちろん、子どもが独立して住宅ローンも終わったなら、現役時代の大きな死亡保障などは過剰かもしれません。でも、注意したいのが医療の保障です。

年齢を重ねるほど、入院や手術、通院のリスクは確実に上がります。それなのに、目先の保険料を惜しんで必要な医療保障まで手放してしまうと、いざというときに大きな自己負担がのしかかり、削った保険料よりもずっと大きな出費になりかねません。削るなら「使っていない過剰な特約」だけ。“いざ”に備える最低限の保障は、残しておく。これが基本です。

② 暖房・冷房を我慢して、体調を崩す

これは、本当にやりがちです。働いていた頃は、電気代なんて気にせず、エアコンも照明もつけっぱなし。それなのに、年金生活になったとたん、夏でも部屋を真っ暗にして、窓を開けてエアコンを使わない——。理由を聞くと「このほうが涼しい」。……正直、意味が分かりません。

わが家の父も、まさにこれをやって、夏に熱中症になってしまいました。電気代を数百円ケチった結果、体を壊して医療費がかかる。これでは本末転倒です。命と健康に関わる冷暖房は、削る対象ではありません。むしろ、遠慮なく使ってほしい。それが年金生活の“安全”を守るお金です。

③ 趣味や、人と会う楽しみ(交際費)まで切り詰めてしまう

退職すると、社会とのつながりは、どうしても薄くなっていきます。最初は「もう人に気をつかわなくていい」とラクに感じるのですが、それは長くは続きません。それなのに「年金生活だから」とお金がかかる外出や趣味を我慢して家に閉じこもると、少しずつ“孤立”していきます。

40年間、自分の趣味も持たずに働いてきた父にとって、この歳から趣味を見つけるのは難しいのかもしれません。でも、一人の時間ばかりが増え、毎日テレビを見て過ごす——そんな日々が続くうちに、いつの間にか、怪しい勧誘やセールスに引っかかるようになりました。

実際にわが家の父は、太陽光発電の電話勧誘や、貴金属の訪問営業に乗せられ、自宅で契約寸前まで。ほかにも、紫外線で焼く調理器のようなものや、毎月5,000円もかかる“水の機械”まで買ってしまったことがあります。「田舎なんだから、蛇口をひねればおいしい水が出るでしょうが!」——思わずそう突っ込みたくなりました。しかも本人は、それを“被害”だとは認めない。本当に困ったものです。

でも、これは笑い話ではありません。人とのつながりや楽しみを削って生まれた「さみしさ」と「ヒマ」が、こうした被害の入口になる。交際費や趣味のお金は、ムダではなく、“心の健康”と“詐欺よけ”のための、立派な必要経費なのです。


削るのは「使っていないムダ」だけ。生活の質は、落とさない。これが鉄則です。年金生活を“豊かに”するとは、ただ削ることではありません。ムダを手放して、大事なことに、お金と気持ちを回せるようにすること。私は、そう考えています。

今日からできる、最初の一歩

難しいことは要りません。まずはスマホ料金の明細を1枚、見てみてください。「何にいくら払っているか」を知るだけで、見直しは半分終わったようなものです。親御さんの分なら、帰省したときや電話越しに、一緒に確認してあげるのがおすすめ。「損してるものだけ、賢く直そう」——その一声が、年金生活の家計を、我慢なしで軽くする第一歩になります。

まとめ——年金生活は「我慢」より「順番」で、まだ楽にできる

年金は増えても、物価に追い越され、実質は目減りしている。モデル年金は幻で、現実の平均はもっと低い。毎月の赤字を貯蓄で埋め、その預金も物価で目減りしていく——これが、今の年金世代が置かれた現実です。

でも、悲観しなくて大丈夫。収入は増やせなくても、「支出=固定費」は、我慢せず、賢く軽くできます。その筆頭が、使い方を変えずに下げられる「スマホ代」。生活の質はそのままに、払いすぎだけを、そっと減らす。それが、年金生活の家計にも、心のゆとりにも、いちばんやさしいお金の使い方だと、わが家は思っています。

🌱 ラッフィのひとこと
「“我慢”はつらくて続かない。使ってないムダから直すのが、いちばんラクで効くんだ。まずは明細を1枚、見てみよう🐾」

📱 スマホ代の見直し先として、店舗で相談でき・口座振替も使えるUQモバイルの最新プランは公式サイトで確認できます。
▶ UQモバイル公式サイト:https://www.uqwimax.jp/mobile/

【参考にした主なデータ・出典】

  • 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
  • 総務省統計局「消費者物価指数(2025年平均)」
  • 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年」
  • 厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

※本記事の年金額・物価・家計のデータは執筆時点(2026年9月)で公表されている公的統計に基づく概数です。制度・金額は改定されることがあります。最新・正確な内容は各公式サイトでご確認ください。また、本記事は特定の金融商品の購入を勧めるものではなく、家計見直しの一般的な考え方をまとめたものです。

🐾 ラッフィに質問してみよう!

記事のこと、お金・暮らし・子育てのこと、なんでも気軽に送ってみてね。ラッフィ(いろどりゆたか)が答えます!

📩 ラッフィに質問する

コメント

タイトルとURLをコピーしました