こんにちは。いろどりゆたかです。
前回の記事では、私が「パパコーチ」としてサッカーを教えることになったきっかけについてお話しました。
今回は、練習や試合に参加して1年。活動を通して感じたこと、見えてきたものをまとめていきたいと思います。
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子ども達を知る。そして、知ってもらう
最初に感じたのは「相手を知ること、そして自分を知ってもらうことの大切さ」です。
もちろん、長男くんのパパであることはみんな知っていますが、「この人はどんな人なのか」「本当にサッカーができるのか」は、子どもたちにはわからないもの。だからまずはサッカーを教える前に、私自身を知ってもらうことが必要だと感じました。
自分の仕事や趣味、特技、年齢など、自己紹介まではいかなくても“人となり”を知ってもらう。これが関係づくりの第一歩でした。
同時に、こちらからも子ども達を知る努力をしました。名前や学校、学年はもちろん、「今ハマっているゲームやアニメ」まで聞き、少しでも共通点があれば会話に活かす。サッカーに直接関係ない話でも、それがやがて信頼につながり、ピッチの上でのやりとりに生きてきます。
つまり「相手を知り、自分を知ってもらう」。これはサッカーに限らず、どんな場面でも共通する大切なことだと実感しました。
「コーチ」ではなく「さん」付けで
もう一つ、私がこだわってきたのは呼ばれ方です。
始めたばかりのキッズたちには「僕も初心者だよ」と伝え、あえて「いろどりコーチ」ではなく「いろどりさん」と呼んでもらうようにしました。
なぜなら、子どもたちはいずれ私よりも上手にサッカーをするようになります。その時に「コーチ」と呼ばれるのは烏滸がましい気がするからです。
そして、小学校の数年間しか一緒に活動できなくても、中学・高校になって街で会った時に「いろどりさん」と自然に声をかけ合える関係でいたい。子ども達にとって“コーチ”ではなく“一人の大人”として記憶されるほうが、長い目で見れば自然体でいいなと思っています。
語彙力のなさに気づかされる
指導を始めてから痛感したのが「伝えることの難しさ」です。
「ここはこう」「こう動く」「ここに当てる」… 自分が感覚で覚えてきた動きを、言葉に変換して説明するのは想像以上に難しいものでした。
どうしても体が先に動いてしまい、「こうだよ」と見せて終わってしまう。自分では教えたつもりでも、子ども達には全く伝わっていない。何度も同じことを言っても、伝わらない言い方では意味がない。まさに指導者としての“伸びしろ”を痛感しました。
難しいサッカー用語は使わない

練習試合や大会になると、大人はつい「うち切れ!」「オーバーラップだ!」と専門用語を使ってしまいます。
でも子ども達からすれば「はぁ?何それ?」です。頭の中はまるで外国語を聞いている感覚でしょう。
ある日、保護者からLINEが届きました。 「コーチが言っていること、意味わかんないって子どもが言っています」
はっとしました。きっと口に出さないだけで、他の子ども達も同じように感じていたはずです。わからないのに「わからない」と言えない雰囲気をつくっていたのは私でした。まさに指導者失格です。
そこで次の練習で謝罪し、伝え方を見直しました。
- 「うち切れ」=相手のパスコースを体の向きで塞ぐこと
- 「オーバーラップ」=味方を追い越してパスをもらうこと
こんなふうに専門用語を噛み砕き、実際の動きを見せながら説明するようにしました。子ども達にとっては耳で聞くより、目で見た方がずっと理解しやすい。実践と結びつけることで少しずつ浸透していきました。
楽しむことが何より大切
この1年を通して一番大事だと思ったのは「楽しむこと」。
言葉で伝わらなくても、動きで伝え直す。何度も確認しながらやる。そうしてようやく理解が進む。その過程で大切なのは「サッカーが楽しい」「もっとやりたい」という気持ちを持ってもらうことです。
伝えるのは本当に難しい。でも、子ども達が私に興味を持ってくれるからこそ、世界観に引き込めるし、そこから指導が活きてきます。
まとめ
この1年で学んだのは、
- 子ども達と“人としての関係性”を築くことの大切さ
- 呼ばれ方や距離感へのこだわり
- 伝える力不足に気づき、改善していく過程
- 専門用語を噛み砕いて伝える工夫
- そして「楽しむことが一番大切」
指導はまだまだ試行錯誤の連続。でも、だからこそ学びがある。これからも子ども達と一緒に成長していきたいと思います。
次回予告
次回は「公式戦での苦い経験」について書いていきます。
初めて子ども達と挑んだ試合で味わった惨敗――。そこから見えてきた“勝つこと以上に大切なもの”について、指導者として、そして一人の親として感じたことをお伝えできればと思います。
【ラッフィのひとこと】
「サッカーはうまくなることも大事だけど、いちばん大切なのは“楽しい!”って思える気持ちだよね!」

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