前回の記事では、スポーツをする子どもに必要な「鉄分」について解説しました。今回はその続編として、アミノ酸に注目します。
運動量の多い子どもにとって、アミノ酸は「体づくり」と「回復」を支える重要な栄養素。アミノ酸が不足するとどんなリスクがあるのか、摂取することでどんなメリットがあるのかを、わかりやすくお伝えします。
アミノ酸って何?
アミノ酸は、たんぱく質を構成する最小単位の栄養素です。
たんぱく質を摂取すると、体内で分解されてアミノ酸になります。これが筋肉や皮膚、髪、内臓など、私たちの体を作る材料となります。
アミノ酸は全部で20種類あり、そのうち9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で作れないため、食事から摂る必要がある栄養素なのです(厚生労働省 e‑ヘルスネット) 。
アミノ酸の不足が招くリスク
- 筋肉の回復が遅れる:運動後の筋繊維の修復に支障が出ます
- 疲れやすくなる:エネルギーの生成がうまくいかず、パフォーマンス低下に
- 免疫力が下がる:体の修復や防御に関わるたんぱく質が十分に作られなくなる
- 集中力の低下:神経伝達物質の材料になるアミノ酸が不足し、脳の働きが落ちることも
特にスポーツをする子どもにとっては、日々の練習や試合で筋肉の分解・再生を繰り返しているため、アミノ酸の不足=成長やパフォーマンスの妨げになります。
アミノ酸を摂るメリット
- 筋肉の合成を促進し、体づくりをサポート
- 運動後の疲労回復が早くなる
- 集中力や持久力が維持されやすい
- ケガの予防や回復がスムーズになる
- 睡眠の質向上につながることも(成長ホルモンとの関係)
特にBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)は、運動時の筋肉の分解を抑える働きがあり、スポーツをする子どもにぴったりのアミノ酸です。
アミノ酸名 | 主な働き | 含まれる食品例 |
---|---|---|
バリン | 筋肉のエネルギー源となり、運動時の疲労軽減をサポート | 赤身肉、乳製品、大豆製品、ナッツ |
ロイシン | 筋肉の合成を促進し、回復を助ける | 牛肉、鮭、卵、チーズ |
イソロイシン | 筋肉の分解を抑え、持久力を高める | 鶏肉、レンズ豆、卵、魚類 |
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アミノ酸を正しく摂取するコツ
① バランスの良い食事が基本
- 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを組み合わせて摂ることで、必須アミノ酸をバランス良く補えます
- 「たんぱく質=筋肉の材料」だけではなく、回復や免疫にも重要
② 運動前後のタイミングを意識する
- 運動前:BCAAなどを補うことで、筋分解の予防に
- 運動後:素早く吸収されるアミノ酸を摂ることで、筋修復と回復に役立つ
市販のサプリメントやアミノ酸飲料を使う際は、成分と量を確認し、子どもに合った商品を選びましょう。
③ 過剰摂取はNG
- アミノ酸も摂りすぎると、肝臓や腎臓に負担がかかる可能性があります
- 「サプリメントに頼りすぎず、食事が基本」の考え方が大切です
まとめ:アミノ酸は“成長”と“回復”を支える栄養素
スポーツをする子どもの体は、日々大きな負担を受けています。その体を内側から守り、強くしてくれるのがアミノ酸です。
「なんとなく疲れがとれない」「最近集中できない」…そんな様子が見られるときは、もしかしたらアミノ酸が不足しているサインかもしれません。
日々の食事に少し意識を向けることで、お子さんの体も心も、もっと健やかに育っていきます。
[ラッフィのひとこと]
「いっぱい走ったあとのアミノ酸、これ必須アイテム!!次に向けた体づくりも努力のうちだよね」

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