こんにちは、いろどりゆたかです。
スマホやタブレットが当たり前の時代。
「YouTubeばかり見てるけど大丈夫?」「スマホを持たせる時期はいつがいい?」
そんな悩みを持つ親御さんは多いのではないでしょうか。
実は、スクリーンとの付き合い方に「正解」はありません。
大切なのは、子どもの発達段階に合わせてルールを調整すること。
そして、“温かさ”と“構造”という2つの軸をもとにしたしつけの姿勢です。
🌱 子育ての基本は「温かさ」と「構造」
心理学では、子育てスタイルを大きく4つに分けますが、
その中で最もポジティブな影響を与えるのが「権威ある子育て(Authoritative Parenting)」と呼ばれるスタイルです。
このスタイルの特徴は、次の2つを高いレベルで両立すること。
- 温かさ(Warmth):愛情をもって子どもを理解し、話を聞き、支えること。
- 構造(Structure):一貫したルールや枠組みをつくり、予測可能な環境を整えること。
このバランスが取れている家庭では、子どもの自尊心、学力、社会性が高まるという研究結果が多数あります。
スクリーンルールも、まさにこの「温かさ」と「構造」のバランスが大切です。
👶 乳幼児期(〜5歳)スクリーンルールの考え方
まずは乳幼児期。
この時期の基本は「時間」「内容」「関わり方」の3点です。
⏰ 時間の目安は“1日1時間以内”
アメリカ小児科学会(AAP)や世界保健機関(WHO)は、
2〜5歳の子どもに対して1日1時間以内の質の高いコンテンツを推奨しています。
ただし、重要なのは「正確に1時間を守ること」ではなく、
睡眠・運動・親子の関わり時間が削られていないかを見ることです。
「スクリーンを減らす」よりも「他の活動を守る」意識を持つと、親子ともにストレスが減ります。
📺 見るなら“学び”を含む内容を
この時期におすすめなのは、
キャラクターが質問したり、文字・数を繰り返したりする教育的番組(例:『セサミストリート』『ダニエルタイガー』など)。
社会性や感情理解の学びにつながるという研究もあります。
👨👩👧 一緒に見る“共同視聴”が効果的
3歳未満の子どもは、スクリーン単独での学習効果が低いとされます(“ビデオ欠損”と呼ばれます)。
でも、保護者が一緒に見て声をかけると理解が深まり、言葉の発達にも良い影響を与えます。
「いまダニエルはどうしたのかな?」など、やり取りを通じて学びをサポートしましょう。
🪄 終了時は“予告と選択肢”を
スクリーンを突然止めると、泣いたり怒ったりするのは当然のこと。
「あと5分でおしまいね」と事前に予告し、
「今日はブルーイとダニエル、どっちを見る?」と小さな選択肢を与えると、子どもにコントロール感が生まれます。
これが、ルールを守る力を育てる第一歩です。
【子どもの発達段階に合わせたスクリーンルールとしつけ】温かさと構造で育てるデジタル時代の子育て
こんにちは、いろどりゆたかです。
スマホやタブレットが当たり前の時代。
「YouTubeばかり見てるけど大丈夫?」「スマホを持たせる時期はいつがいい?」
そんな悩みを持つ親御さんは多いのではないでしょうか。
実は、スクリーンとの付き合い方に「正解」はありません。
大切なのは、子どもの発達段階に合わせてルールを調整すること。
そして、“温かさ”と“構造”という2つの軸をもとにしたしつけの姿勢です。
🌱 子育ての基本は「温かさ」と「構造」
心理学では、子育てスタイルを大きく4つに分けますが、
その中で最もポジティブな影響を与えるのが「権威ある子育て(Authoritative Parenting)」と呼ばれるスタイルです。
このスタイルの特徴は、次の2つを高いレベルで両立すること。
- 温かさ(Warmth):愛情をもって子どもを理解し、話を聞き、支えること。
- 構造(Structure):一貫したルールや枠組みをつくり、予測可能な環境を整えること。
このバランスが取れている家庭では、子どもの自尊心、学力、社会性が高まるという研究結果が多数あります。
スクリーンルールも、まさにこの「温かさ」と「構造」のバランスが大切です。
👶 乳幼児期(〜5歳)スクリーンルールの考え方
まずは乳幼児期。この時期の基本は「時間」「内容」「関わり方」の3点です。
⏰ 時間の目安は“1日1時間以内”
アメリカ小児科学会(AAP)や世界保健機関(WHO)は、2〜5歳の子どもに対して1日1時間以内の質の高いコンテンツを推奨しています。
ただし、重要なのは「正確に1時間を守ること」ではなく、睡眠・運動・親子の関わり時間が削られていないかを見ることです。
「スクリーンを減らす」よりも「他の活動を守る」意識を持つと、親子ともにストレスが減ります。
📺 見るなら“学び”を含む内容を
この時期におすすめなのは、キャラクターが質問したり、文字・数を繰り返したりする教育的番組
社会性や感情理解の学びにつながるという研究もあります。
そう考えてみると、やはりEテレって発達段階に合わせてよく構成されているってことですよね。
👨👩👧 一緒に見る“共同視聴”が効果的
3歳未満の子どもは、スクリーン単独での学習効果が低いとされます。いわゆる、ビデオ欠損。
でも、保護者が一緒に見て声をかけると理解が深まり、言葉の発達にも良い影響を与えます。
「いまバイキンマンはどうしようとしたのかな?」など、やり取りを通じて学びをサポートしましょう。
この頃の子どもはテレビを見ながらおしゃべりすることが多くなります。保護者がそれに気づいて聞き返してみたり、質問してみると、子どもの想像力に触れることもできるでしょう。
🪄 終了時は“予告と選択肢”を
スクリーンを突然止めると、泣いたり怒ったりするのは自然なこと。
「あと5分でおしまいね」「時計の針が6になったら終わりだよ」と事前に予告し、見通しを示すことが大切です。
また、動画を終えた後に「今日はボール遊びにする?それともブロック?」と次の行動の選択肢を与えると、子どもは次への道筋を立てやすくなります。
こうした工夫が、自然に行動を切り替える力を育て、ルールを守る第一歩につながります。
🎒 学童期(5〜10歳)スクリーンルールの考え方
この時期は、ルールを理解し、少しずつ自己管理ができるようになる大切な時期。
一方で、「楽しさを優先してしまう」「終わりを決めるのが苦手」といった特徴も見られます。
だからこそ、“親がコントロールする”から、“一緒に考える”へと移行する時期です。
🕰 スクリーン時間の目安とバランス
5〜10歳では、明確な時間制限(例:1日1〜2時間)を設けるよりも、“1日の生活バランス”を意識することが大切です。
📅 目安としては、
・睡眠:9〜11時間
・身体活動:1時間以上
・学習・家族との時間を優先
そのうえで空いた時間にスクリーンを使う、という順序づけが理想です。
「今日は宿題とお風呂を終えてから30分ね」と、行動の順番をルール化することが有効です。
🧠 「考えて使う」力を育てる
この時期の子どもは、「なぜルールがあるのか?」を理解できるようになります。
そのため、ただ「ダメ」と言うよりも、
「夜にゲームをすると寝るのが遅くなって、明日つらいよね」など、理由をセットで伝えることで納得しやすくなります。
また、アプリや動画を一緒に見ながら、
「これって広告?」「この情報、本当かな?」と話すことで、情報を見極める力(メディアリテラシー)も少しずつ育ちます。
📵 「使えない時間・場所」を決める
時間制限だけでなく、「場所」にルールを作るのもおすすめです。
たとえば──
・食事中はスマホ・タブレットは使わない。
・寝室では使わない
・使うときはリビング限定
こうすることで、親子の会話が増え、
「スクリーン=孤立」ではなく「一緒に使う体験」に変わります。
👨👩👧 親子で作る“マイルール表”
ルールを紙に書いて見える場所に貼ると効果が上がります。
| 内容 | ルール | 守れたとき | 守れなかったとき |
|---|---|---|---|
| YouTube | 1日30分まで | スタンプ1個 | 次の日10分減らす |
| ゲーム | 1時間以内 | スタンプ1個 | 次の日できない |
このようにルールと結果を明確にすることで、「約束を守る=信頼される」経験を積むことができます。
「どうすれば続けられそう?」と子どもの意見を取り入れて一緒に作るのがポイントです。
🗣 親の声かけのコツ
5〜10歳は“認められたい”気持ちが強くなる時期。
だからこそ、守れたときはすぐに褒めることが大切です。
「約束守れたね、えらいね!」「どうして守れたの?」「自分から止められたのすごいね!」
逆に、ルールを破ったときは感情的に叱らず、
「どうしてできなかったと思う?」と一緒に振り返ることで、考えるしつけにつながります。
🌼 親も“モデル”になる
ここが一番大事なところです。みなさん。
子どもに言っていて、みなさん自身が守れていない──そんなことはありませんか?
子どもは、親の言葉よりも親の姿を見ています。
私が子どもの相談を受けていると、よくこんな声が聞こえてきます。
いろどり「どうしてスマホのお約束が守れないの?」
子ども「だって、ママもスマホ見てるじゃん」「なんで自分だけ守らなきゃいけないの?」
これを言われると、支援者として本当に胸が痛みます。
親のスマホとの付き合い方こそが、子どもに最も大きな影響を与えます。
食事中にスマホを見ない、寝る前はデバイスを置く──
まずは、親である私たちが“守ってほしいルール”を自分から実践すること。
その姿こそが、子どもにとっていちばんの教科書になるのです。
言い訳なし!!
🧑🎓 思春期・青年期(10〜20歳)におけるスマホ・SNSルール
思春期は、アイデンティティを形成し、リスクを試し、
「自分で決めたい」気持ちが強くなる時期。
ここで必要なのは、自律を尊重しながらリスクを管理する姿勢です。
「自立」ではなく、「自律」
「自立」とは、誰かに頼らずに自分の力で生きていくこと。
一方で「自律」とは、自分の感情や行動を自らコントロールすることを意味します。
多くの人が“自立した子”を目指しますが、その土台になるのが「自律」です。
自分の中で「今やるべきこと」「我慢すること」「選ぶこと」を判断できる力。
これが備わってこそ、他者に依存せず社会の中で生きていけるようになります。
親が日々の生活やスマホの使い方の中で「自律」を育てる関わりを重ねること。
それが、将来の「自立」への確かな第一歩になるのです。
🤝 ルールは「一緒に決める」
10代になると、「親が一方的に決めるルール」では反発を招きます。
子どもを会話に参加させ、“理由を伝えて一緒に決める”ことが大切。
この「自律性支援的な関わり方」は、心理学的にも非常に効果的で、
自分で決めたルールは守りやすくなる傾向があります。
・自己決定理論
・親の自律性支援が子どもの心理的ニーズ(自律性・有能さ・関係性)を満たし、良好な発達に結びつく
📱 スマホを持たせる判断基準:「4つのR」
スマートフォンを持たせる時期に明確な正解はありません。
いろどり家では、小学校6年生になった長女ちゃんが最近スマホデビューをしました。
目安として、子どもが次の「4つのR」を理解できているかどうかを確認しましょう。
Responsibility(責任):使い方に責任を持てるか
いろどり家 → 事前にスマホの危険性や誤った使い方について参考書などを買って学びました。
Rules(ルール):家庭のルールを守れるか
いろどり家 → ①スマホの購入は自分のお小遣いから。②毎月の支払い(290円)は必ずお手伝いで稼ぐ。
③使用は21:00まで。これは全て長女ちゃんが決めたルールです。
Risks(リスク):ネット上の危険を理解しているか
いろどり家 → SNSの誤った使い方や自分が気づかない間に詐欺行為をしてしまうなど、ネットに触れるということは危険性がすぐそばにあるということを知るために池上彰著書 「正しく学ぶ」 という本を購入して読ませました。
Reasons(理由):なぜスマホを使いたいのか説明できるか
いろどり家 → これは正直なかなか長女ちゃんも答えられなかったんですよ。単純に「お友達が持っているから」「SNSをやってみたいから」これ!っていう明確な理由はないもんなんです。欲しいものってそんなもんではありますよね。
ただ、4年生の時から「スマホが欲しい」と言って、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントも我慢してきたんですよ。それに加えて、お手伝いを頑張ってかなり貯金したんですよ。
長女なりの熱意なんだなって感じました。これが最大の理由ですかね。
🌙 夜のスマホ持ち込みは禁止
多くの研究が示す通り、寝室にスマホを持ち込むことは睡眠の質を下げます。
🔗 参考文献
厚生労働省(2023)「良い睡眠の概要(案)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf
夜は親が回収する、または寝る1時間前から充電ステーションに置くなどのルールを設けましょう。
(いろどり家では、21時以降スマホ自体使用制限をかけているので、長女ちゃんはリビングにある充電ポートにおいて充電していますね。)
家族での食事中・車内など、「スマホを使わない時間と場所」を1つ決めるのもおすすめです。
(せめて食事中は家族で会話をしたいと伝えました。長女ちゃんもそれは弁えている様子です。)
🎮 ゲームやSNSの制限は「性格」と「環境」を見て
暴力的なゲームが短期的に攻撃性を高める傾向はあるものの、
長期的な犯罪行動と結びつく証拠はほとんどありません。
重要なのは、その子の特性と環境です。
感情のコントロールが難しいタイプの子や、過度に没頭しやすい子の場合、
時間や内容を細かく見守る必要があります。
🧩 ペアレンタルコントロールは「壁」ではなく「門」
フィルタリングアプリや利用時間制限は、
子どもを縛るためのものではなく、「会話を生むツール」として使うことが大切です。
例えば、Nintendo Switchをしている長男くんが「パパ、時間増やして」と言ってくるとします。
その時に、
「このゲームはどんな内容?」「今どこまで進んだ?」「あとどれくらいやりたいの?」
と問いかけてみるのです。
長男くんは「あと30分でクリアできそう」と言うけれど、本音はもっと続けたい。
でも、パパにお願いする手前、“やりすぎは良くないかな”と自分でブレーキをかけている。
この遠慮は、まさに自制心の芽生えです。
フィルタリングは「やらせない壁」ではなく、
「自分で控える力を育てる門」として活用することで、親子関係を保ちながら自律心も育ちます。
そんな会話の積み重ねが、信頼関係を深めていくのです。
🧭 効果的なしつけの原則:行動の結果を“教える”チャンスに
ルールを破ったとき、あるいは守れたときにどう対応するか。
それが、しつけの質を左右します。
行動心理学では「オペラント条件づけ」と呼ばれ、
行動の結果(コンシークエンス)によって学びが起きるとされています。
行動心理学の「オペラント条件づけ」とは、行動のあとに得られる結果によって、行動が増えたり減ったりする仕組みのことです。良い結果が返ってくればその行動は増え、望ましくない結果が返れば行動は減ります。例えば、宿題を終えたら褒められると「またやろう」と思うのは陽性強化、ルールを破ってスマホを取り上げられると「次はやめよう」と思うのは陰性罰。このように、行動と結果の組み合わせを繰り返すことで、子どもは望ましい行動を身につけていきます。
👍 望ましい行動を増やす「強化」
- 陽性強化:褒める・特権を与える → 例:「宿題を早く終えたね、今日は少し長くYouTube見てもいいよ」
- 陰性強化:制限を緩める → 例:「正直に話してくれたから、今回はペナルティなしにしよう」
良い行動に“報い”があると、子どもは自ら繰り返すようになります。
🚫 望ましくない行動を減らす「罰」
- 陰性罰:好ましいものを取り除く → 例:「ルールを破ったから、今日はスマホなし」
また、癇癪を起こしたときに親が長く叱るのも、
実は“注意”という報酬を与えてしまうケースがあります。
冷静に「関わらない」ことで行動が落ち着くことも多いです。
🔁 一貫性が最大のしつけ
子どもが泣いて反発しても、ルールを曲げないこと。
一度でも譲ると、「泣けば通る」と学習してしまいます。
大切なのは、共感+一貫性。
「もっと見たい気持ちはわかるよ」と受け止めつつ、
「でも、今日はもうおしまい」とルールを守り抜くことです。(可愛い子どもにこれは難しい)
🌼 まとめ:温かさと構造で“スクリーンと共に育つ”
スクリーンとの関係は、避けるより「共に育つ」意識が大切。
温かく関わりながら、ルールを一貫して守る。
それが、デジタル時代の“しつけ”の本質です。
子どもたちは、親が見せるその姿から「使い方」だけでなく、
自分をコントロールする力を学んでいきます
ラッフィのひとこと
「「スクリーンルールは“しばる”ためじゃなくて、いっしょに育つためのものだよ。
子どもが自分で“やめる時”を選べるようになると、自律の芽がぐんと伸びるんだ。
そしてね……その力をいちばん育てるのは、パパやママの後ろ姿。
親子でルールを話しながら、ゆたかなデジタルの使い方を見つけていこうね。」




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