前回の記事「スマホ依存は子どものSOSかもしれない」では、発達障害を持つお子さんのスマホ依存やその背景についてお話ししました。
今回は、さらに一歩踏み込んで、家庭で実践できる最低限のセキュリティ対策・スマホ設定についてまとめます。
「うちの子、気づいたら動画を見続けている」「知らない間にアプリで課金してた…」
そんな不安を抱える親御さんのために、今すぐできる安心設定をハード面・ソフト面に分けてご紹介します。
このような設定は最初が肝心。約束やルールを緩めることは簡単ですが、厳しくしていくのは余計に反発が起きることが多いです。ぜひ、この記事を読んで子どもと一緒に安心設定を行なってみましょう。
1. ハード面でのセキュリティ対策(設定編)
1-1. スクリーンタイムや使用制限の活用
スマホやタブレットには、使用時間やアプリ制限ができる機能が標準で搭載されています。
- iPhone/iPad:「スクリーンタイム」→使用時間・アプリ制限・購入制限が可能
- Android:「ファミリーリンク」→アプリ制限、遠隔ロック、位置情報共有など
親が子ども用アカウントを作成し、適切なルールを設定することで、「気づいたら5時間YouTube…」のようなことを防げます。
1-2. 課金やアプリ購入の制限
- アプリ購入にパスコードを必須に設定(Apple ID/Googleアカウント)
- クレジットカードではなく「プリペイドカード」設定に切り替える
- ゲーム内課金が多いアプリは使用制限 or 削除を検討
知らぬ間に「●万円の課金」を防ぐためには、親の設定確認が何より重要です。
1-3. Webフィルター・有害コンテンツのブロック
- YouTubeは「制限付きモード」をオンに
- iOS・Androidともに「成人向けコンテンツ制限」機能あり
- ブラウザの安全検索(Googleセーフサーチ)も有効に
検索結果やおすすめ表示も、見えないところで子どもの行動に影響を与えています。

4. Google・YouTubeのファミリー機能を活用しよう
4-1. Google ファミリーリンク
Googleファミリーリンクは、子どものAndroidスマホやタブレットを保護者のスマホからリモート管理できる無料アプリです。
主な機能:
- アプリのインストール・使用時間を制限
- 1日の利用時間の上限を設定
- 端末の位置情報を把握
- 深夜の自動ロック
子ども用Googleアカウントを作成し、保護者のスマホで連携することで使用可能になります。
4-2. YouTubeのファミリー設定
子どもが一番よく使うサービスの一つが「YouTube」。
ですが、放っておくと不適切な動画やコメントに触れる可能性もあります。
▶ YouTubeの「制限付きモード」
不適切とされるコンテンツを非表示にする機能。以下の手順で設定できます。
- YouTubeアプリを開く
- 右上のアカウントアイコンをタップ
- 「設定」→「全般」→「制限付きモード」をオン
▶ YouTube Kidsアプリ
子ども専用のYouTubeアプリ。年齢に応じた動画のみが表示され、検索機能や視聴時間制限も可能です。
- 3つの年齢層(未就学児/小学生前半/小学生後半)に合わせて設定可能
- 見せたくないチャンネルはブロック可能
2. ソフト面でのサポート(親子関係・教育)
2-1. ルールは親子で一緒に決めよう
スマホ利用のルールを一方的に「禁止」するのではなく、子ども自身に提案させることが有効です。
例えば:
- 「平日は1日1時間まで、夜21時以降は使わない」
- 「宿題を終えたら30分OK」
自分で決めたルールは、守る意識が自然と高まります。
2-2. 怒る前に、話す。信じて任せる。
スマホを長時間使ったからといって、頭ごなしに怒ると逆効果です。
子どもは「隠れて使う」ようになり、結果的に信頼関係が壊れてしまいます。
まずは「なぜ使いたいのか」「どう使っているのか」を聞いてみてください。
そして、使い方に問題があれば「一緒に考えよう」という姿勢で向き合いましょう。
2-3. ゲーム・スマホ以外の楽しみも提案しよう
「やめなさい」だけではなく、代わりになる「楽しいこと」を提案しましょう。
- 一緒に料理を作る
- 公園に行く/自転車で散歩
- アナログなカードゲーム・ボードゲーム
特に発達障害のあるお子さんは「安心できるルーティン」や「一緒に過ごす時間」に安心感を抱きやすいと言われています。
一緒にできることを共有することでスマホよりもママ、パパとの時間を大切にしたいと思ってくれるかもしれません。
自分が興味のあるものを親が夢中になってくれるって子どもは嬉しいと感じるものです。
3. 本で学ぶスマホの使い方
まとめ:安心して使うために、まずは親が知ることから
スマホ依存やネットトラブルは、テクノロジーの問題というよりも、環境と関わり方の問題です。
子どもだけに責任を押し付けるのではなく、親がリテラシーを学び、一緒にルールを育てていくことで、安心してスマホやネットを活用できる環境が作れます。
ぜひ今日から、できるところから設定・対話を始めてみてください。
ラッフィのひとこと
「一緒に約束を決めるのも、お互いにとってゆたかな時間だね」

▶ 前回の記事:「スマホ依存は子どものSOSかもしれない」も合わせてご覧ください。

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